アナーキストと女性

ママに背を向けたアナーキストは、

ただ性質を始め、性質に蔵める。

現象を辷り、我を忘れ、強くなり....

ることといえば、

「ママを探す」

これに尽きる。

「現象が確率に基づいているのなら、凡ゆる力は外的な力だ....

それはつまり...マジでしょうもないってこと.... 」

そして、無意味に元気いっぱいになっちゃってる。

「あんた何がしたいの?」

と、女の子にきかれたら、

「.....(ママを探しています)」

と、性質に、水に流す。無に帰す。

彼女は見た感じ、どうしようもなく、現象の、力の、

部分的な発露に過ぎないのだから(彼女はそれを望んでいる)。

「幻想だよね。そうだね。わかるよ。辛いよね。よしよし....」

確率に抱かれた母の優しさと抱擁の"魔"の手から、

逃れるために、奇跡を刻んでいく所存。

奇跡しか起こしたくないのさ。

僕はそれを幸せとは見做さないし、

あんな顔は二度と見たくないから。

「力が時間と条件(場)によって"測られるもの=確率"である已上、

凡ゆる力は"権力的"であるといえる。およそ権力的でない力は存在しない、と。」

啓いて、

殆ど、魔術みたいに。概念になってしまっていた要素達が、こうも容易く、

手足を動かすみたいに扱えるなんてね....

どうしても"必要"だったんだ。違和感があったから。

その女性は、僕の一聯を見据えて、

「私は女性です。」

と表現するように、僕の恐れを飲み込んで、軽やかに舞った。

ああ、僕と大違いだなあ....強いんだな....

「別に囚われてここにいるのではありません....」の笑み。

ああ、何をしていたんだ僕は....