千春の保護区
千春は音楽が好き。
堅いことを言うとシラけるし、感触の悪い言葉を言うと、
気マズくなるので、プレイに厳しいのが伝わってくる。
千春は自然や動植物が好き。
緑地とか、雲とか星とか、あと甘い幻想的なこととか。
センチなものとか、ちゃちな芸をみると漫画のあの大きい汗みたい
のが顔に浮かんでくるので、こどもの羊というわけではないのだ。
千春は優しい感じが好きなので、悪口を言わないし、
誰かを貶めたりすることはない。千春のそういうところが好きだ。
千春はあまり冒険しない。そういう欲がない。
ささやかな暮らしで満足できるので、21世紀に向いている。
千春は気持ちいいことが好き。
ちょっと崩れてる方がいいみたいなので、細かいことに拘るよりも、
気持ちいいことを待っている。意外とだらしない。その分、よゆうがある。
千春は現象、あらわれたものみたいなので、縋りつくのが難しい。
千春は強みも弱みもみせないので、本気で遊べない。のわりに、ふと戯れる。
それは俺苦手なんだよな。
千春は右にも左にもいない。じゃあ真ん中に?そこにもいない。
どこにいるんだよ。少なくとも俺の前にはいない。
彼女は遅れをとった。もう間に合わないと思ったのか。
まだまだ遅くないぜ、って千春に伝えたい。それは乱暴か。
でも、会えても千春はいない。
千春。千春は千春の好きなもの。
千春の保護区。千春は保護区。